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北朝鮮の横暴とたたかって

※「新石川」2003年1月19日号の記事から抜粋します。

「国際法も人道も無視した北朝鮮の蛮行、情理をつくし、厳重抗議した日本共産党~第36八千代丸事件を振り返る~

北朝鮮の無法に厳重抗議した日本共産党
 昨年来、北朝鮮による拉致事件が重大な政治問題となる中で、公明党は日本共産党が朝鮮労働党と「友党」関係にあり、北朝鮮に「迎合」、あたかも拉致事件に関与しているかの如き悪質な反共宣伝を県内でも繰り広げています。
 だが、事実は全く逆です。繰り返される北朝鮮の無法に厳重に抗議してきたのが日本共産党であり、1983年以来、日本共産党と北朝鮮・朝鮮労働党との関係は断絶したままになっています。
 公明党の事実無根のデマによる反共攻撃には事実をもって反論することが必要です。このため、北朝鮮による不法行為の一つであり、石川県に直接関係のある第36八千代丸銃撃事件について、ふり返ってみたいと思います。
 
銃撃受け船長死亡―第36八千代丸事件
 第36八千代丸銃撃事件は、今から18年前の1984年7月27日、石川県内浦町小木漁協所属のイカ釣り漁船・第36八千代丸(49.86トン、乗組員5人)が、北朝鮮が一方的に設定した「軍事境界線」内に侵入したとして、北朝鮮海軍の警備艇によって銃撃され、行泊貢船長が死亡、乗組員4人と船体が拿捕(だほ)され、北朝鮮の清津港に連行、抑留された事件です。
 連行された乗組員は、「軍事境界線」を侵犯したという証言を強制され(そうしなければ帰国できなかった)、約1,951万円の罰金を支払わされ、事件発生から1ヵ月後の8月26日やっと小木漁港に送還されたのです。
 
不法な「軍事境界線」人道上も許されぬ銃撃
 日本共産党は、8月3日、この事件に対する次の見解を立木洋国際部長(当時)が明らかにしました。
 「朝鮮が公海上に一方的に軍事境界線なるものを引き(1977年)、この水域内には一般船舶の出入りも許さないという措置自体、認めるわけにはいかない。ましてや漁船が同水域内に入ったからといって、これを銃撃し船長を死亡させるなどという行為は、いかなる理由によっても合理化することのできない、国際法上も、人道上も不法な行為である。朝鮮側が真相を明らかにし、責任ある措置を講ずるよう求める。」
 
朝鮮労働党の悪罵に国際法に基づく反論
 日本共産党の見解に対して、朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」(8月6日付)は、日本共産党の見解を「内政干渉」「不当な言いがかり」などと中傷、さまざまな悪罵を投げつけてきました。
 これに対し日本共産党は8月16日付「赤旗」に無署名論文を発表。北朝鮮が一方的に設定した「海上軍事境界線」は、いかなる国際法にも認められておらず、沿岸国の主権下にある「領海」でさえ外国船舶の無害航行権を認めていることを明らかにし、条理を尽くして反論しています。
 同時に、仮に沿岸国の法令に違反し、「海上軍事境界線」を侵犯したとしても、無害航行している50トン未満の漁船に北朝鮮海軍の警備艇が追突し、銃撃を加え、乗員を死亡させるなどということは、断じて許せない蛮行であることを強調しています。
 
公明党の国会での対応-北朝鮮を事実上弁護
 一方、公明党・国民会議の和田教美参院議員は、国会質問で「(北朝鮮の)経済水域ですけれども・・・現在は漁業協定が失効しておりますから、当然法律的に見ると向こうの方に分がある」などと述べ、北朝鮮の無法を事実上弁護しました(1984年7月31日、参院外務委)。
 武田一夫衆院議員も、日朝民間漁業協定の失効後、北朝鮮当局による拿捕・銃撃事件が増えていると指摘したうえで、「軍事境界線」は、不問に付したまま、「民間協定が失効している。その間の対応について、私はやはり関係漁船あるいは組合等々にしかるべききちっとした指導やあるいはまた監督、警戒の態度を十分にやっておくべきでなかったのか」と、日本政府の責任だけを追求しています(1984年8月2日、衆院農水委)。
 
遺族弔問、漁協と懇談-共産党県委員会も奮闘
 第36八千代丸銃撃事件については、日本共産党石川県委員会も全力をあげて取り組みました。
 行泊船長の遺体と乗組員4人、船体が送還された翌日・8月27日には、森昭県委員長(当時・以下同)が小木漁協の南理一組合長を訪問、引き続いて亡くなった行泊貢船長宅を弔問。お悔やみを申し上げるとともに、「赤旗」に掲載された党の見解や論文などの資料を手渡し、この事件に対する党の見解を表明。8月31日には小木漁協よりお礼の葉書をいただいています。
 9月13日に行なわれた行泊船長の合同葬にも心をこめた弔電を送り、当日は、金沢市内4ヵ所で街頭宣伝を行い、行泊船長への弔慰を表明、事件についての党の見解を訴えました。
 8月30日には森昭県委員長、原俊道県議(当時)等が石川県漁業協同組合連合会を訪問、吉井一良会長、北村重雄専務理事等と懇談、吉井会長には「国際法上の違法行為だというのははじめて知った」と感謝され、県内43の漁協、漁業団体に関連資料を送付し、党の見解を伝えました。
 また、この事件を取りあげた「赤旗」号外を配布、パンフを普及するとともに、9月5日には、「新石川」号外2万枚を作成、全県主要地点で配布、小木漁協の在る内浦町には宣伝行動隊を送り配布しています。
 同様の行動は全国で取り組まれ、共感の声を大きく広げました。
 
県議会で「減船補償」共産党が要求、実現
 9月21日の石川県議会本会議の一般質問の中で、第36八千代丸事件について、当時の日本共産党の原俊道県議は堂々と党の見解を表明。さらに、遺族や船員に対する補償を求めるとともに、船主が約2千万円の罰金支払いに加えて八千代丸建造費の未償還金約1億5千万円を抱えて破綻していることを明らかにし、国と業界が半額ずつ負担(石川では業界負担の半分を県が負担)で行なわれているイカ釣り漁船の「減船補償」(石川で27隻のうち残り3隻)の対象に入れることを要求。10月30日の産業委員会でも強調し、実現。船主の窮状を救っています。
 逆に、同県議会では、公明党をふくむ他党派は一言も発言せず、政党としての責任を果たしておりません。
 
北朝鮮の不法に抗議-生命と財産を守る党
 第36八千代丸銃撃事件に対する対応を見るだけでも、日本共産党が朝鮮労働党と「友好」関係にあり北朝鮮に「迎合」してきた等という公明党のデマ宣伝がまったく根も葉も無いものであることは明らかです。
 日本共産党は、国際法と人道を守る立場にたって、国民の生活と財産を守るために積極的な役割を果たしたのです。それと対照的に、公明党の国会や県議会での対応の道理のなさが浮かび上がってきます。


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